2023/03/14

 『お彼岸』について書き込みしてみたいと思います。

お彼岸の期間は、1年に2回「春」と「秋」にあります。春のお彼岸を「春彼岸」といい、春分の日を中心とした前後3日間、合計7日間です。春分の日と秋分の日をお彼岸の中日とする理由については諸説あります。春分の日と秋分の日は、太陽が真東から昇り真西に沈みます。阿弥陀如来の西方極楽浄土は、真西にあるとされているため、真西にある極楽浄土に太陽が向かう日がお彼岸になったと言われています。

2023年(令和5年)春のお彼岸の期間

「春分の日」を中日として前後3日間。この合計7日間がお彼岸の期間になります。

3月18日(土曜日)彼岸の入り

3月21日(火曜日)中日(春分の日)

3月24日(金曜日)彼岸の明け)


2023年(令和5年)秋のお彼岸の期間

9月20日(水) 彼岸の入り

9月23日(土・祝) 中日(秋分の日)

9月26日(火) 彼岸の明け


お彼岸とは。。。

お彼岸は、人間の迷いや苦しみの元となっている煩悩のない世界のことで、極楽浄土を指しています。お彼岸は、サンスクリット語で「悟りの世界」を意味する言葉です。語源は、パーラミター(波羅蜜多)の漢訳語「到彼岸(とうひがん)」からきています。パーラミターとは「完成する」、「成就する」などの意味があります。煩悩や苦しみから放たれて自由になる、悟りの境地にいくことがパーラミターです。

煩悩の世界である「此岸(この世)」から悟りの世界「彼岸」に到着するためには、修行を行わなければなりません。その修行をする期間がお彼岸なのです。お彼岸の期間は、仏道の修行をしていない人も煩悩を無くすために、西に沈む太陽に祈りを捧げていたと言われています。西に沈む太陽に祈りを捧げるのは、極楽浄土が西にあるとされているからです。

私が小学生くらいの時でしたか、テレビで「西遊記」という番組を思い出しましたね。

このようにお彼岸は仏教的な意味合いが強いのですが、現在はお彼岸に、ご先祖様のお墓参りや法要を行うことが一般的となっています。お彼岸は日本独自のもので、始まりは聖徳太子がいた飛鳥時代までさかのぼると言われています。平安時代には朝廷の年中行事となり、源氏物語や蜻蛉(かげろう)日記にも登場しています。現在にようにお彼岸にお墓参りをする習慣が始まったのは、江戸時代中期ごろです。お彼岸にはお墓参りをしてお花や線香をお供えし、ご先祖様に対して日頃の感謝の気持ちを込めて合掌をします。

お彼岸にはお墓参りをすることが、一般的となっています。地域によっても異なりますが、お墓参りには手順があります。

<お墓参り手順>
(1)お墓の掃除
お墓に生えている雑草を抜き、周りに落ちている葉などのごみを掃いてきれいにします。墓石には、水をかけてたわしで洗います。彫刻がされている部分の汚れは、歯ブラシなどを使うと掃除がしやすいです。水鉢と香立ては特に汚れやすい部分なので隙間や中に埃やゴミが残っていないかをしっかり確認しましょう。全ての洗いが完了したら、墓石、水鉢、香立てはタオルなどを使って水気を拭き取っておきます。

(2)お供物を供える
きれいになった墓石に打ち水をします。お花、お菓子やお酒などのお供え物を供えます。お彼岸には季節の果物やぼたもち・おはぎ・彼岸団子などを供えることが一般的です。食べものは直接置くのではなく、半紙の上に置くと良いでしょう。お供えのお花は、三回忌を迎える頃までは白い花を中心に選ぶと良いとされています。

地域によっては秋のお彼岸には彼岸花をお供えするところもあります。彼岸花には毒があるため、扱いには注意が必要です。昔は土葬をしていたため、遺体をモグラなどから守るために彼岸花をお供えしていました。しかし、現在では火葬してから埋葬するため彼岸花をお供えする習慣が無くなった地域が多くなっています。

(3)お線香を手向ける
お線香に火をつけて、手で仰ぎ香立てに線香を立てます。合掌して日頃の感謝の気持ちを伝えましょう。

(4)片付けをする
最後に、掃除の道具などを後片付けします。食べものなどの時間が経つと腐ってしまうお供え物は持ち帰ります。また、お墓から出火して山火事になったなどというニュースはよく耳にしますね。お線香の周りに燃えるものがないか、しっかりと確認をしてから帰りましょう。

(5)仏壇の掃除とお供え
家に仏壇がある人は、仏壇の掃除を行いましょう。毛ばたきでホコリを払い、乾拭きします。汚れが目立つ部分がある場合は専用のクロスで拭きますが、金箔部分は剥がれる危険性があるので拭かないように注意してください。お供えは、お花と季節の果物、ぼたもち・おはぎ・彼岸団子などを供えましょう。

(6)六波羅蜜(ろくはらみつ)を行う
お彼岸は、ご先祖様の供養を行う期間であるとともに、六波羅蜜を行う期間でもあります。六波羅蜜とは、悟りを開いて彼岸に至るための6つの実践項目のことです。

①布施波羅蜜(ふせはらみつ):見返りを求めずに、他人のために善行を行うこと。具体的にはお布施や寄付を行います。


②持戒波羅蜜(じかいはらみつ):戒律を守ること。また、慎んだ行動をして他人に迷惑をかけない、律によって規定されている禁戒を守ること。


③忍辱波羅蜜(にんにくはらみつ):どんな辱めや災を受けても、受け止めて耐えること。


④精進波羅蜜(しょうじんはらみつ):一生懸命、努力をして誠心誠意を尽くすこと。


⑤禅定波羅蜜(ぜんじょうはらみつ):常に冷静を保ちながら動揺しないこと。


⑥智慧波羅蜜(ちえはらみつ):怒りや愚痴などに支配されずに、これらの5つの波羅蜜を実行し、物事の根底をしっかり見ること。

お彼岸が7日間あるのは、この六波羅蜜を行うためと言われています。六波羅蜜を1日1つずつ修めて、中日である春分の日と秋分の日は、ご先祖様への感謝の意を捧げます。


≪まとめ≫

お彼岸は煩悩の世界であるこの世から悟りの世界である彼岸に到達するための修行期間のことです。もともとは仏教的な意味合いが強い行事ですが、現在ではお墓参りをすることが一般的となっています。お彼岸の意味をしっかりと理解することで、お墓参りに臨む気持ちも変化するでしょう。春分の日の前後3日を含めた合計7日間と、秋分の日の前後3日を含めた合計7日間の年2回、感謝や弔いの気持ちを込めて、昔ながらの風習を思い起こして亡くなった方々を思い偲んでみてはいかがでしょうか。。。

ちなみに、私は「神道」ですが上記のようにおばあちゃんや、ご神職様から教わって大きくなりましたね(^^;)

以上